今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 203)自家製・ゴロゴロ煮豚の野菜炒め

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自家製の紅茶煮豚をつくり、つまみにしてみるものの、家族向けにはどうしようか。丼ぶりにしてもいいけど、そこまでの量はないのよネ。


よし、ここは野菜炒めにしてみよう。豚コマのかわりにゴロゴロ煮豚というのも、実に酔狂ではなかろうか。さっそく、野菜を買いそろえる。


下ごしらえくらい自分ですればいいんだけど、今日は横着してパック野菜。キャベツ&もやし、キャベツ&玉ねぎ、人参もやしピーマンの3種類。


火力の問題か、野菜炒めは自宅でつくるとベシャっとするんどけど、ネットでみかけたレシピに挑戦、まずは鍋に油をひいて強火にかける。


油の上に「気」のようなものがみえてきたら、野菜を入れて、軽く塩胡椒。フライパンは持ち上げず、フライ返しでかき混ぜつつ、たまに揺する。


野菜の嵩が半分くらいになったところで、煮豚と合わせ調味料を入れ、ざっとかき回す。常に強火がポイント。いい塩梅に色がついてきたゾ。


合わせ調味料の内容は醤油、お酒、オイスターソース、顆粒鶏ガラの素。自分ではオイスターを思いつかないけど、どうやら常識みたいだナ。


あとは早めに火から下ろして、余熱に賭ける。そう、余熱って大事なもんで、オムレツ界隈では食感の決め手になるよね。まあ、野菜炒めだけど。


さて、実食。もやしがシャキシャキしていておいしい。これが強火効果なのね。味付もオイスターさんによるコクが、隠しきれない隠し味ですな。


もちろん、ゴロゴロ煮豚は歯ごたえよく、「肉」野菜炒めであることを強く主張している。そうね、アンタが主役のひと皿だったよね。


家族にも好評だったので、今度は豚コマでつくってみよう。豚コマに片栗粉をまぶしておくのだとか。血液サラサラになった気がする中年の夜。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 202)自家製・紅茶の煮豚

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食のエッセイといえば東海林さだお先生。池波大先生とは異なり、庶民派で B 級グルメだけど、だが、それがいい。なんというか、手が届く。


そんな東海林さだお先生のレシピの1つ、チャーシュー。豚ブロックをお湯で煮て、醤油に漬け込むだけ。これが何度試してもおいしいのだ。


本日は賞味期限まぎわの紅茶のペットボトルをどうしたものかと一考し、烏龍茶になぞらえて豚を煮込んでしまうことに。アレンジレシピだね。


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ネットで調べると、豚肉の紅茶煮自体はよくあるみたい。さっそく、紅茶1、水1を大鍋に沸かして、豚バラブロックを煮込み始める。


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最初に出てくる派手なアクを取り除いたら、落とし蓋をして 40 分ほど煮込んでいく。換気扇を回すも、ほのかな紅茶の香りが部屋に漂う。


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キッチンタイマーに呼び出され、お茶に染められ黒黒とした豚バラを取り出すと、重厚感にあふれてる。なんというか、昭和の大物俳優っぽい。


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空気を抜きつつ、醤油とともにジップロックに入れて、荒熱をとりがてら、時々ひっくり返して小一時間。その間に、大鍋を洗ったりする小市民。


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いい頃合いと切り分けてみれば、実にいい塩梅。ひと口かじると、豚の脂と旨味がおいしい。そこに紅茶の香りと、醤油のコクが加わってるしネ。


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出来立てを摘んだ後は冷蔵庫に寝かせる。ラーメンに入れてもよし、つまみにしてもよし。午後の楽しみが増えました、さすが午後の紅茶煮込み。


ごちそうさまでした。





麺喰らう(その 303)冷やしむじなそば

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初夏の陽気に誘われて、馴染みのそば屋で今季初冷やしを嗜もうかね。壁をみれば、たぬき、きつね、むじなのトリオが今年も貼り出されてます。


ウーン悩むなぁ。素直にたぬき、甘〜いきつね、欲張りむじなの三国志。どれが魏呉蜀かはともあれ、今年の初陣だし、欲張りむじなにしちゃう。


何というか、自分はいつも健康でいられるという正常性バイアスにとらわれて、お楽しみを先延ばしにしがちなんだよね。今を生きねばならぬ。


見目麗しきむじなそば。ワサビを溶かして、ネギをのせ、イザいただきます。まずはひと口、そばをズルリ。酸味のきいたツユにむせそうになる。


で、そばを持ち上げては、かき混ぜつつ食べる。

甘いきつね、サクサクのたぬき、モチモチのナルト、清冽なきゅうり。これこれ、夏の訪れ。


今季は何杯食べるものか。チェーン店もいいけど、こうした個人店も応援しないといけないし。どうやら、忙しい夏になりそうな予感。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 302)サッポロ一番塩らーめん〜濃厚タンメン、たっぷり野菜

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バタバタしていて出遅れたランチタイム。時間もないし、セブンイレブン塩むすびを握りしめ、相棒をどうするか刹那悩んで塩ラーメンを選ぶ。


ほぅ、私の中で定評のあるサッポロ一番の塩、その濃厚タンメンなのか。野菜たっぷりならば、藤岡琢磨もさぞお喜びだろう。ワクワク5分待つ。


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蓋を開けると、そこは沼地。ちょっと緑がかったスープだからね。箸でいくらかかき混ぜて、麺を持ち上げれば、香りもたって実においしそう。


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ズルズルと食べようと思うけど、袋麺より太麺で縮れも強い。汁が飛び散るのを避けて、モムモムと食べてゆく。濃いめの味つけが胃に沁みるね。


それにしても、フリーズドライは発明だよなぁ、と感心しつつ、塩むすびをかじる。塩むすびを食べると日本昔ばなしが思い出されるねえ。


麺、スープ、おむすびの三角貿易をひとしきり終え、ペットボトルのお茶を飲む。シアワセだね。しっかし、若い頃から味覚に進歩がないなぁ。


こんなアラフィフでいいんだろうか。自分の父親を思えば、世代もあるけどカップ麺を食べてるの見たことないな。外ではどうしていたのかな。


ともあれ、スープを残して、箸を置く。今しばらくはジャンクフードでやっていけるけど、いよいよ無理という時がくるのかな、想像できないな。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 202)峠の釜めし

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かつてわが国有数の人気だった「峠の釜めし」。重厚な益子焼に入った名物駅弁が都内で売られているのを、何気なくみた「じゅん散歩」で知る。


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店に入れば、カウンターの裏で次々と釜めしが仕上げられている。1つ買ってみると、陶器ではなくじょうずに整形された紙容器に入っている。


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さて自宅に居ながら、心の旅に出ようカナ。そもそも駅弁というのは移りゆく車窓の景色とともにいただくのが筋だけど、まあ、致し方なし。


蓋をあけると彩りよくオカズが並ぶ。このメンバーはオリジナル通りなのかな。鶏肉、ゴボウ、椎茸、栗、筍、うずら、緑豆、アンズ、紅生姜。


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このほか、粕漬けを含む漬物が別容器でついている。オカズヂカラはまず間違いないだろう。箸でゴボウを寄せて、炊き込みご飯を持ち上げる。


そう、まずはご飯。これがおいしくないと何も始まらない。もぐもぐ食べれば、もっちりとしておいしい。キュウリの漬物をかじって、次を窺う。


どれもおいしそうで、迷い箸の嵐が起きそうなので、手当たり次第食べることとする。うん、さすが伝統の弁当、すべての惣菜がハイレベル。


あービール飲みたいって考えるのが悪いクセ。でも、峠道を登る車窓を愛でつつ、オカズを食べ、漬物をかじり、ビールを飲めれば最高だよね。


それにしても、アンズ。崎陽軒シウマイ弁当といい、名物弁当でいいポジションを占めてるよなぁ。もちろん、デザートがわりに最後にパクリ。


新幹線による高速移動により、食堂車は消えていった。車内滞在時間が短いのでそもそも駅弁も売れず、最近では弁当のにおい問題もあるとか。


寂しいかな、個人主義の世の趨勢であろう。東京に住んでると全国の特産がやってくるけど、たまには、現地の空気とともに食べにゃいかんね。


満点、弁当、ごちそうさまでした。


麺喰らう(その 301)かき揚げ天そば

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ボチボチと経済活動が活発になり、出勤前のそばが再びルーチンになる日も遠くないだろう。リハビリをかね、通勤動線を外れて、そば修業へと。


さて、こちらは名物の「明日葉天そば」で知られているけど、朝イチの券売機は売り切れ。明日葉が採れる大島との定期便が今はないのかもな〜。


再開の暁にはまた食べにこなきゃ。口惜しいけどすっかり天ぷらそばのクチなので、かき揚げを選択する。注文してから揚げてくれるのよね。


ドンと偉容を放つ天ぷらをそばに漬け込むとチリチリ音がする。おお、マンマミーア、これぞ揚げたてデース。私の心にいたイタリア人が大喜び。


ソバは不揃いな太さで、風味ありますネ。アルデンテとは違いますケド、実にボーノ! 魚テイストのスープにソイソースも、グラ〜ッチェ。


はい、キリがないので、イタリア人には引っ込んで貰います。揚げたてのかき揚げは、長ネギ、玉ねぎ、人参。ぶつ切りの長ネギとは珍しいな。


仕入れの関係とかあるのかな〜とか思いつつ、箸で崩したかき揚げをガブリ。なんと玉ねぎの甘いこと! 箸で端に集めて、ツユごと飲んじゃう。


あぁ、おいしい。ただただ、おいしい。私は日常的にこんないいモン食べてたんだな。しかも朝っぱらから。自らの幸せをかみしめつつ、完食。


はやく当たり前の世の中に戻るといいけど、そうも言ってられないな。新しい生活様式に慣れつつやり過ごしていかないとな。決意を新たにする。


ごちそうさまでした。


麺喰らう(その 300)大盛にんにく醤油ラーメン

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ラーメン二郎。もはやラーメンではなく「二郎」というジャンルとまでいわれ、ジロリアンと呼ばれる熱烈なファンを擁する一大ラーメン勢力。


パンチのきいたスープ、ゴワゴワの麺に、チャーシュー、野菜、脂、ニンニクが量を選んでトッピングできる。まあ、私が説明するまでもない。


そんな二郎系に、大手コンビニが参入している。カップではなく、レンチンできる生麺のヤツ。以前、セブンの豚ラーメンには挑戦したっけ。


https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2019/02/01/072936


本日はファミマでみかけたヤツに挑戦。野菜が1日分の3分の1摂れるとか。うん、1食ならば妥当だナと思うも、ラーメンなればありがたいか。


二郎は新宿の支店で食べて、胃腸をやられた覚えがある。量、脂、にんにく、すべてが凄まじかった。40 代後半になると、アレはもう、無理かな。


でもコンビニ飯なら食べて即、横になることもできるし、なんなら途中でギブアップもできる。安心とともに蓋をあければ、ニンニク臭がガツン。


麺は極太縮れ麺で、箸で持ち上げてひと口食べれば、ふわふわでやわらか。スープは動物のダシのきいた塩っぱさで、飲んだらアカンと胃が叫ぶ。


チャーシューは1枚なのが惜しいクオリティ、しっかりキシキキシおいしい。もやしは歯ごたえよく、キャベツは少量だけど甘さを感じる。


刻みニンニクはしっかりと主張しており、独特の

いがらっぽさを発揮。スープに溶け込ませて、味をなじませつつ、ワシワシと麺を食べていく。


ラーメンというか、ニンニクうどんを食べてるみたい。脂身はそれほどでもなく、これなら胃が1ラウンドで KO ということもないだろう。


量もこれなら食べきれる、足るを知るといった感じ。二郎系は、店>生麺>カップ麺の順で難度が上がるね。チャレンジできるのもあと数年かな。


膨れた胃をさすり、しばらく思考停止する。のどが乾くのでお茶を飲みたいのに、その隙間が胃に残っていない。汗がとまらんな、たまらんな。


また、二郎に借りができちまった。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 201)ちょい足し・味噌カツサンド

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愛知県民の赤味噌愛、豆味噌愛は強い。代表格の八丁味噌三河・岡崎の特産だけど、あの赤黒いやつらは名古屋メシの要といって過言ではない。


北陸生まれで淡麗な味付けを好んだうちの母ですら『他のが売ってないから』という理由で豆味噌の軍門に下ってました。いや、いいんだけど。


さて、トンカツ。トンカツソースでいただくことが多いトンカツ。高級な店だと、岩塩でいただくことや、お茶漬けなんて変化球もあるトンカツ。


そんなサクサクでおいしいトンカツも、名古屋人にかかれば、どろっどろの味噌がかけられた味噌カツに変貌する。これが、また、おいしい。


矢場とんなどは東京進出も果たし、味噌カツも人口に膾炙し始めた気がしますが、いまだイロモノ扱いというか、メインストリームには遠い。


味噌カツ食べたい。そんな愛知ケンミンの夢を叶える「つけて味噌かけて味噌」。ケチャップ的な容器にたっぷりと味噌と夢が詰まっていますゾ。


できあいのカツサンドにそいつをかければ、あら不思議、ここはコメダ気分。見た目はよくない、どす黒いもんな。ひとつ取り上げてパクリ。


そうそう、これこれ。甘くて、コクがあり、渋みも感じられるコイツ。なんで全国区にならないのか不思議だけど、スガキヤ然り、致し方ない。


思えば、上京が決まって矢場とんの本店に行ったのがもう 30 年近く前なんだなぁ。谷沢や上川のユニホームが飾られていた記憶があるネ。


いいぞがんばれドラゴンズ〜♩ のフレーズとともに、彦野、立浪、ゲーリー、落合、宇野、仁村、川又、中村。当時のラインナップが浮かぶ。


巨人ファンの私ですら、何十年経っても忘れられないリフレイン。バブル期の熱に浮かされていた名古屋が思い出された、大人のおやつタイム。


カツサンド、ビール、カツサンド、ビール。味噌の主張を洗い流しつつ、あっという間に食べ終える。歳をとるのも悪くないな、と思えました。


ごちそうさまだがや。

麺喰らう(その 299)自家製・コンビーフのスパゲティ

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かつて明大前にあった喫茶店「とうほう」。今は再開発でなくなってるけど、あの界隈の学生にはボリューム、雰囲気込みで人気があったと思う。


食事のメインはスパゲティ。セットは 100 グラム、B 200C 300Z 600のメニュー体系で、お好みのスパゲティに、ワンドリンクがつく。


学生時分はそれなりに量を食べたけど、挑戦したのは C まで。それでもかなりのものだった。バイト代の入ったタケシが Z を食べてたっけな。


お好みのスパゲティといっても、さすがに専門店だけあってカルボナーラ、バジリコ、ナポリタンのメジャーどころに加え、コンビーフもあった。


実家では食べたことのなかったコンビーフ。上京したばかりの田舎モンの私には、えらく都会的なメニューに映った。さすが大都会東京だ!  と。


繊維質でホロホロの塩っぱい肉、アルデンテでくっきりした食感のスパゲティ、初めて目にするタバスコ、黒くて苦くて甘いアイスコーヒー。


ゲームテーブルに置かれたスパゲティをズルズル食べながら、取り止めもない話をして、腹ごしらえが終わると、雀荘ミスチョイスに向かう。


そんなセイシュンの食卓を思い出すコンビーフのスパゲティ。とうほうではキャベツは入っていたか定かでないけど、栄養を考えて加えておく。


クルクル巻いて食べれば、うん、おいしい。お店のは、もっと麺がピンとしていて、汁っぽさもなかった。こればかりは炒め技術の違いだな。


あの頃が懐かしいと思っても、実は平成初期なんだよね。バブルが抜けて静かになった頃。昭和は遠くなりにけり、いろいろ思う令和の初夏。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 200)焼きそばパン

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あたし目が覚めたら、今日もまたあたしだった♩

のイントロで始まるのは川本真琴の「焼きそばパン」。なんとなく、高校時代が似合うパンだね。


炭水化物 on 炭水化物なのは百も承知。関東では焼きそば定食やお好み定食は出てこないけど、焼きそばパンは治外法権なのか、よく見かけます。


なんてことのないコッペパンに、濃いめの焼きそばが挟まれる。ソース味を頼りにパンを食べるわけで、カツサンドなんかと方向性は同じかな。


烏龍茶を飲みつつ、モムモムと咀嚼する。色といい、味といい、紅生姜がアクセントとなって、いくらでも食べていられそうな、嬉しい味わい。


高校の購買で焼きそばパンを争った、みたいな思い出があればいいけど、うちの購買はチャチだったからな。それでも、ジャンク感が懐かしい。


軽めの昼食にピッタリだな。烏龍茶よりもカルピスが似合う、セイシュンの残り香のような焼きそばパンは、40 代で卒業かもしれないなぁ。


そういえば高校の購買では「マヤ」っていうカルピス風紙パックジュースが売ってたっけ。あれ、いま、どこにあるかな。見たことないな ^_^


ひとりぼっちで食べる焼きそばパンは、やはりおいしいのです。できるなら屋上で食べたいけど、マンション住まいには叶わぬ願いですねえ。


ごちそうさまでした。